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歯が抜けて何年も経ち、歯茎が痩せてしまった人でも入れ歯を作れますか?

歯が抜けた後、差し歯や被せ物などで適切な処置を行わないまま放置すると歯茎が痩せてしまうことがあります。歯茎が痩せてしまった場合でも、入れ歯を作ることはできるのでしょうか。

歯茎が痩せる理由

歯茎は日常生活で多くの刺激を受ける部位であるため、どんなに健康な人でも年齢を重ねると歯茎が痩せてしまいます。

しかし、歯が抜けたまま適切な治療を行わず、噛み合わせが悪い状態が続くと歯茎への負担が偏って痩せる速度が速くなるほか、歯周病や不適切なブラッシングの影響でも歯茎は痩せます。

他の治療やケアが必要なこともある

加齢による歯茎の痩せを止めることは難しいですが、噛み合わせの悪さや歯周病、ブラッシングなどが原因となっている場合、対策をしないまま入れ歯を作ってもすぐに合わなくなる可能性があります。また、歯茎が痩せていると健康な人よりも治療に時間やコストがかかる傾向があります。

そのため、入れ歯を作成する前に噛み合わせの修正や歯・歯茎の治療、ブラッシング指導などを適切に行い、歯や歯茎をできるだけベストな状態にしましょう。

また、抜けた歯を放置したままにしていた場合、顎の骨も痩せているかもしれません。まだ痩せていないという場合も、そのまま放置すると痩せてしまう可能性が高いため、できるだけ早期に対策したほうがよいでしょう。

作れるかどうかは口の状態による

入れ歯は、歯茎が痩せていても作れることが多いですが、自分の歯がどの程度残っているか、顎の骨に問題はないか、歯周病にかかっていないかなど、歯や歯茎、口の状態によっては入れ歯を作れないこともありえます。

また、一度痩せた歯茎を再生するのは難しいといわれていますが、状態によっては上あごの歯肉を移植する「結合組織移植術」「遊離歯肉移植術」といった歯肉移植術による歯茎の再生が可能なこともあります。

移植後の歯肉が定着するまで数か月かかりますが、しっかりとした歯肉ができると入れ歯の安定性がよくなるだけではなく、入れ歯そのものを長持ちさせることができます。

まとめ

歯茎が痩せている場合、歯茎が痩せる原因を解決せずに入れ歯を作ると、入れ歯がすぐに合わなくなったり、歯茎の痩せが悪化したりするため、入れ歯を作る前に歯や歯茎の治療が必要になります。

また、歯茎が痩せて入れ歯を作れない場合は、ブリッジやインプラントといった治療法で対応することになります。どの治療法が適しているかは口の状態によって異なるため、まずは医師に相談するとよいでしょう。