肩こりや頭痛、全身けん怠感なども歯の食いしばり、歯ぎしりが原因?
しっかり寝たはずなのに朝起きると体がだるい、顎が痛い、顔の筋肉がだるい感じがする、頭が重いなどの症状に悩んでいるけれど、体に病気などの異常がないということがあります。このような症状の原因は、もしかすると無意識にしている食いしばりや歯ぎしりかもしれません。
食いしばりや歯ぎしりの原因、それによって起こるトラブル、改善法にはどのようなものがあるのでしょうか。
食いしばり・歯ぎしりの原因
人間の歯が噛み合った状態になっているのは1日のうち20分以内といわれており、噛み合わせや顎の筋力などに問題がない健康な人なら常に上の歯と下の歯の間に数ミリ程度の隙間が空いていて、上の歯と下の歯が接触しないのが普通です。
食いしばりとは食事の時など以外の場面で上の歯と下の歯が噛み合ったままになっている状態をさします。力を込めて食いしばった状態はもちろん、噛み合っているだけでも歯や顎、筋肉などにものすごい負担がかかります。
歯ぎしりは上下の歯をこすり合わせる運動で、睡眠時に起こることが多いため、本人は自覚しにくいという特徴があります。
いずれも原因としては「ストレス」「生活習慣」「噛み合わせや骨格異常」があげられ、特に多いのがストレスによる食いしばり・歯ぎしりです。
また、歯が生え変わる時期のお子様は不快感などが原因で歯ぎしりをすることがあります。
どんなトラブルが起こる?
食いしばり・歯ぎしりによって起こるトラブルは、歯に負担がかかることで起こる歯の損傷や知覚過敏、虫歯のほか、歯と歯茎の間に隙間ができて歯周病が進行する、顎の靭帯や筋肉に負担がかかることで起こる顎関節症、顔の筋肉が疲労する影響で起こる頭痛、肩こり、睡眠の質の低下に伴うけん怠感、歯並びや噛み合わせの悪化など、歯と顎を中心に体全体にトラブルが起こります。
改善・治療法
食いしばりや歯ぎしりの改善や治療は、原因の解消と、歯や顎にかかる負担の軽減と対策を同時に行う必要があります。
【ストレス緩和】
食いしばりや歯ぎしりの原因の多くは日常のストレスです。ストレスをためないために趣味を持つ、就寝前に半身浴やアロマなどでリラックスする、適度な運動でリフレッシュするなど、積極的なストレス緩和をはかりましょう。
【癖の見直し】
スポーツなどで力を込める機会が多い人は歯を食いしばる癖がついていることがあります。
また、食事をするときに片方の歯だけで噛む癖が原因で顎の筋肉に負担がかかり、食いしばりなどを招くこともあります。日常的に歯を食いしばったり片噛みしたりしていないか注意し、癖をなくしていくよう意識しましょう。
【歯科治療】
虫歯や差し歯・入れ歯などの不適合、歯並びの悪さが原因で食いしばりや歯ぎしりが起きている場合、歯科治療で噛み合わせを調整する必要があります。
また、食いしばりや歯ぎしりで歯が損傷している場合も治療が必要となります。
【就寝用のマウスピース着用】
ストレス緩和や癖の見直しは時間がかかるため、食いしばりや歯ぎしりによる歯や顎への負担をすぐに緩和することができません。就寝用のマウスピースを着用すれば、マウスピースがクッションの役割をして歯を保護、顎などにかかる負担を緩和することができます。
まとめ
就寝用のマウスピースは歯科医院で作ってもらうことができます。当院ではマウスピース作成のほか、噛み合わせ調整なども行っています。食いしばりや歯ぎしりでお悩みの方は一度ご相談ください。