インプラントのメリットとデメリットには何がありますか?
インプラントは「歯槽骨(しそうこつ)」というあごの骨に穴をあけて人工歯根を埋め込み、その上にセラミックでできた人工の歯を装着するという物です。
歯が抜けた後など、歯根が残っていない状態でも処置できるのが大きな特徴で、入れ歯やブリッジよりも性能が高いといわれています。
インプラントにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
インプラントのメリット
- しっかり噛める歯
インプラントは顎の骨にしっかりと固定する方式なので、食事中にずれたり外れたりすることがまずありません。硬い物でも違和感なく噛むことができ、自分の歯で噛んでいるのに近い感覚を得ることができます。
「片噛み」などの癖がつきにくく、両方の歯でしっかり噛むことができます。
- 自然の歯に近い見た目
インプラントで使用する人工の歯はセラミックを使用しているため、色や形をより自分の歯に近いものに調節することができます。さらに、隣の歯と連結するのではなく、人工歯根を使って固定するという方法なので、自然の歯に近い見た目に仕上げることができます。
- 発音が安定して話しやすい
会話中にずれたり外れたりする心配がないため、会話のときもスムーズに口を動かすことができます。発音が安定して話しやすく、会話時のストレスが軽減されます。 - ほかの歯に負担をかけない
入れ歯やブリッジは隣り合う歯を削ったり、バネなどの器具を使って隣の歯と連結します。噛んだときに他の歯に負担がかかり、その負担が原因で歯が欠損してしまうケースも少なくありません。
人工歯根を支えにするインプラントは周囲の歯を削る必要がなく、自然の歯のように独立しているため、ほかの歯に負担をかけることもありません。
インプラントのデメリット
- 治療に時間がかかる
インプラントは入れ歯やブリッジに比べると治療期間が長くかかる傾向があります。一般的に、ブリッジや入れ歯の治療期間は一週間~二週間ほどですが、インプラントは場合によっては数か月かかります。 - 費用が高い
インプラントは保険の利かない自由診療です。骨に穴をあけて歯根を埋め込むなど、外科手術も必要になるため、費用が高額になります。 - メンテナンスが必要
インプラントの歯は骨とはなじみやすい一方、歯茎とはなじみにくいという特徴があります。セラミック製なので虫歯になることはありませんが、歯周病にはなりやすいため定期的なメンテナンスと日常的なセルフケアが必要となります。 - 技術によって仕上がりに差が出る
インプラントは、噛み合わせのバランス、審美性、メンテナンスのしやすさなどを総合的に判断しながら行わなくてはならないため、経験が浅い術者や技術力が低い術者が行うとイメージ通りの仕上がりにならないことがあります。インプラント治療を行うときは、知識と経験が豊富な歯医者を選ぶことが重要です。
まとめ
インプラントにはさまざまなメリットがありますが、外科手術を伴う、費用が高い、治療期間が長目などのデメリットもあります。また、術後はメンテナンスやセルフケアも必要になりますので、メリットだけではなくデメリットも知ったうえで総合的に判断しましょう。