痛くなりにくい？！アタッチメント義歯（入れ歯）とは？どんな種類がある？

なんらかの理由で歯を失ったとき、欠損した機能を補うために重要な役割を果たすのが「入れ歯」です。入れ歯に部分入れ歯と総入れ歯があるだけではなく、装着方法や素材にも様々なものが存在します。

保険適用の対象となる入れ歯は「クラスプ」という金属製のバネを使って義歯を固定する方式です。この方式は、金属パーツが外側から見えてしまう、ずれて痛みを感じやすいといったデメリットがあるため、入れ歯であることがわかって恥ずかしいと感じたり、食事が苦痛に感じたりするなど、不便や不満を感じる方も少なくありません。

そんななか、近年注目が高まっているのが「アタッチメント義歯」です。

アタッチメント義歯とは

アタッチメント義歯は、クラスプではなく磁石やシリコンなどで固定する義歯です。従来の部分入れ歯のように金属パーツが見えることがないため、見た目が自然で入れ歯であることがわかりにくくなります。

さらに、しっかり固定されるため痛みを感じにくく、しっかり感で食事することができます。装着時の違和感が少ないため、食事はもちろん会話のときにのストレスを感じにくいのもメリットです。

さらに、クラスプを使った入れ歯は隣接する歯に大きな負担がかかってしまいますが、アタッチメント義歯は他の歯にかかる負担が少ないため、自分の歯を長く維持することができます。

アタッチメント義歯の種類

マグネットデンチャー

マグネットデンチャーは比較的多くの歯科で行われている方式で、「磁性アタッチメント義歯」とも呼ばれています。

残っている歯に金属、入れ歯に磁石を埋め込んで磁力で固定するため、見た目がすっきりしており、従来の入れ歯と同じ感覚で使用できるという特徴があります。

ミリングデンチャー

ミリングデンチャーは差し歯に固定するタイプの入れ歯です。マグネットデンチャーの場合、自然の歯と入れ歯のバランスが悪く噛み合わせがよくないことがありますが、ミリングデンチャーは入れ歯を支える歯から設計するため、噛み合わせのよい歯を作ることができます。

クラスプを使用していないため見た目がすっきりしており、より自然に近い感覚で食事を楽しむことができます。

テレスコープデンチャー

テレスコープデンチャーは残っている歯に金属冠をかぶせ、その上にから入れ歯を装着する方式です。クラスプを使用していないため見た目が自然であるというだけではなく、マグネットデンチャーに比べるとずれにくく、しっかり噛むことができるという特徴があります。

自然の歯への負担が少ない、耐久性が高いなど、見た目の良さと高い機能性を備えていますが、技術的に難しいため行っている歯科医院は多くありません。また、他の方式に比べると高額であることもデメリットといえるでしょう。

まとめ

アタッチメント義歯にはこのほかにもさまざまな方式が存在しますが、いずれの方式でもクラスプを使用した入れ歯より審美性・機能性が優れています。

ただし、アタッチメント義歯を利用できるか、どの方式で行えるかは口や歯の状態によって決まるため、ご希望に沿えないケースもあります。